【シリコンバレー時事】米ツイッターが著名人らに無償提供してきた青いチェックマークの旧「認証バッジ」を1日から削除すると発表したことが、反発を招いている。実業家イーロン・マスク氏の買収以前に付与された場合は「本人確認済み」を意味していたが、今後は有料版「ブルー」の契約者に一本化される。本人として発信することに意義を見いだしていた著名人らの離反が進めば、収益面でも痛手となりかねない。
「チェックマークが無くなれば、誰でも私と名乗れる」。忠犬ハチ公を題材とした映画「HACHI 約束の犬」に出演した俳優ジェイソン・アレクサンダーさんは、投稿でツイッターから離れる可能性に言及した。米プロバスケットボール選手で5000万人のフォロワーを抱えるレブロン・ジェームズ氏も、月額料金を支払わないと表明した。
マスク氏は昨年10月の買収後、マーク付与の基準が不明朗で「腐敗している」と批判。有料契約して電話番号を登録すれば、誰でも得られる特典に改めた。改変に伴い、著名人らにもマークを維持したいなら料金を支払うよう求めた。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、マーク付与に携わった元幹部の「(著名人らは)ツイッターに価値をもたらしているのに、課金対象だと感じるだろう」とのコメントを紹介。著名人らの投稿を見るために利用している人々まで離れれば、広告収入への打撃は必至だ。
マスク氏は、広告への依存度が高いツイッターの収益構造を変えるため、有料版を値上げするとともに、長文投稿など編集機能を拡充した。
しかし、成り済ましや誤情報氾濫などへの懸念から企業の広告撤退が続発。米メディアによると、有料契約者はわずかで、無償でマークを付与された約42万人のうち有料契約に移行したのは6000人超しかいないという。マスク氏が打ち出した収益改善策は、苦戦が続いているもようだ。
プロフィール
最新の投稿
- カテゴリー2023年4月3日こども家庭庁、本格始動 霞が関で発足式
- カテゴリー2023年4月3日坂本龍一さん死去、米でも悲しみ 「東西文化の融合」
- カテゴリー2023年4月3日「本人確認」骨抜きに反発 著名人ら離反の動き―米ツイッター
- カテゴリー2020年10月28日オンラインカウンセリング